進化した技術と創造力。
どちらが欠けても、次のものづくりは実現できません。
最新の機器、新しい技術をフル活用すること。私たちが行うものづくりはそれだけで完結しません。
もっと精度を高められないか。もっと効率的に進められないか。
もう一つ上をめざす創造力があってこそ、最上のものを生み出す力が育っていきます。
「 これまでにないものを、これまでにない方法で。進化は挑戦から生まれます。 」
お客様のニーズは様々な要因によって絶えず変化し、一つ一つ確実に応えていくにはこれまで以上の努力が求められます。そのため、私たちがものづくりを行う上で基本としているのが「いまが決してベストではない」というスタンス。システムや工程には必ず改善の余地があり、さらに向上させる必要があると想定するから進化があると考えます。また、「他にはないものを」という独自性を追求するのも私たちの特色。創造力、発想力をフルに活かし、これまでにない方法でものづくりを実践し、お客様のニーズ応えることこそ恵美製作所、東海技研工業、ハッソーがめざすゴールです。
「 技能のマルチ化。独自の生産方法が人を育て、挑戦への原動力になります。 」
より精度の高いものづくりを行うために、また、レスポンスよくお客様のニーズに応えるために、いかにして技術力を高めるか。その答えとして実践しているのが技能のマルチ化です。全社員がすべての工程、すべての機械に対応できる技能を身に付け、生産工程のどこへでも入ることができる力を育てています。
これにより、恵美製作所が行っている「すべての工程を一人で担当するセルフ生産方式」が可能になります。また、東海技研工業では、もし工程のどこかに欠員が生じても、マルチ技能を身に付けた人材を新たに配置することで同一レベルの技術を駆使したものづくりが可能に。技能のマルチ化はリスクヘッジの役割も果たします。
「 作業平準化にも積極的に最新技術を導入し、品質向上につなげています。 」
一人ひとりが持つ技術を最大限に発揮し、最適な製品をお客様に届けるためには、生産環境も大きく影響を及ぼします。私たちは一定の工程、限られた人材に作業が集中して負荷がかかり、ミスや品質低下につながることがないように、生産管理システムをいち早く導入。
作業状況を工場内のどこでも誰でも確認できるようにモニターに表示し、見える化することで迅速・最適な人員配置を可能にしています。
お世話をする介護から、自立を支援する介護へと転換する
自立起立補助具「ラ・クリップ」を開発。
新製品の開発を検討していたときのこと。大腿骨を骨折し、自力でベッドから起き上がることができない父親がいる関係者がいました。92歳という高齢のため、手術は困難な状況。24時間付き添いが必要になるため、介護者も疲れ果ててしまう状態でした。介護する側もされる側も疲れない、疲れさせない方法はないかと考えたことが、自立を支援する補助具開発の始まりでした。通常の手すりはベッドから立ち上がる時、上から押さえて体重移動をしますが、この全く新しい補助具は逆転の発想で上から押すのではなく、引っ張る力を利用して自立を支援するという方法を採用。恵美グループの技術を駆使し、より簡単に自立できるように試作と改善を重ねました。寝たきりだった関係者の父親に試したところ、自力で車イスまでの移動が可能になり、リハビリにも前向きな気持ちになった結果、要介護レベル3から2へと回復し、ラ・クリップの可能性を確信しました。
2019年10月には福祉用具情報システムコード(TAIS)を取得しました。これにより貸与が可能となり、より多くの方に使用していただける準備が整いました。今後は超高齢化社会の問題解決に貢献し、介護する側もされる側も生活の質が向上するような開発を進めていきたいと考えています。
ネーミングについて
ステンレス製のパイプを折り曲げ、文房具のクリップのような形状をした「Rising=立上がりを/Aid=サポートする/CLIP=クリップ」、略して「ラ・クリップ」と名づけました。